オタクの落書き(改)

オタクがぶつぶつ言うだけ

音楽勉強中のオタクが見るスリーズブーケ楽曲でのbVI

主に未来の自分に当てたメモです。読んだ人がいたら何言ってるか分からなくても是非該当箇所に耳を傾けてみてください。逆に自身ニキがいたら間違ってるとことか別の視点をお待ちしています。

一応bVIのことを簡単に説明します。bVIとはCメジャー、つまり基本的にドレミファソラシから成り立つ曲におけるラ♭(=ソ#)のことです。中心になる音をIと見た時、ラは6番目でそのフラット♭だからbVI(変換が面倒なのでbで代用)。本来はいない音なんですが、ゲストみたいな派遣社員みたいな。こういう音の使い方が曲のスパイスになる……と言うか少なくとも自分はそういう音に魅力を感じる人間で、音感を鍛えるにつれて特にbVIに該当するものが多いと思ったので、最近熱い蓮ノ空楽曲、特に異次元フェスなどでのバズの印象が強いスリーズブーケ楽曲で実例を見ていきます。(一番推しのドルケはマイナー調の曲が多くて実例を探すのに都合が悪かったので

素顔のピクセル

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キーはF→Ab(サビ)。転調のタイミングの歌詞が「鮮明」「鮮烈」なのがいいよね。ベースが聞きやすいので耳コピ初心者に優しい。終始ベースのbVIの音が印象的。スルメ曲って柄ではないと思うけど聞き込むほど好きになっている。

  • AメロはひたすらIV-V-VIを繰り返してIV-V-Iで終わる形だが、「帰ろうか カラス泣いた」だけ変化している部分が該当。
  • Bメロ前半でゆったり上行する中での「何も知らず生きてた」のところのベース
  • サビは+3転調してI-IV-V-VIのV-VIの間にbVIが挟まる。「そこにある一瞬を永遠にしよう」「照れ隠しそっぽ向いた顔も」のあたり。この文章を書くに当たり歌詞と照らし合わせて初めて思考が至ったけど、永遠にしたいと表現する「一瞬」(2番だと写そうとする「感情」)のところに普段は存在しない音が入ってくるのめちゃくちゃ良い。(そこまで考えてるか分からないけど考えてたら感謝と降参のピース✌)
    • 全然演奏というレベルの技量はないのだけどこのベースライン(ラ♭-レ♭-ミ♭-ミ-ファ)を音源に合わせて適当なリズムでなぞってるだけで楽しい。おススメです。

フォーチュンムービー

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キーはDb。個人的にはスリーズブーケの中で1,2を争う好きな曲。こちらはメロディラインにもよく登場するのでそちらを中心に。bVI以外にもbIII、bVIIも登場するのだが、少し踏み込んだ話をすると、これらの3つは同じ音を中心としつつも暗い印象の曲(マイナースケール)において、それぞれVI, III, VIIにとって代わる音なので割とよく出てくる(比較的使いやすい)。

  • Aメロ最後の「ご飯派だったなオーマイガー」のところ。うっかりしてたショックを表してるのかな。
  • BメロのメロディにはbVIは登場しないが、「どこの」が、最初に話題に出したbIIIに該当する。ドキドキしてる感じ。この裏のベースラインはbVI-bVIIっぽい。後述するが特にこの並びが好き。
  • サビは2周目のフレーズの「いつもの駅までみちが」「伏線をがしちゃう」のところ。
    • 1周目のフレーズの「玄関のドアを開たら」はbVIともVIとも微妙にずれている気がするけど半音以下のずれだったりする?耳がバカなだけ?有識者案件。
  • サビの最後。「今度は私がヒロイン」の2音がbVI-bVIIでIに着地する。このbVI-bVII-Iの終止が好きなんだろうなというのを言語化できたのは最近の音楽理論の学習の成果として満足しているポイント。
    • 全員曲に脱線するが、夏めきペインのサビ終わり(「早く気づいて #Love you!」)もこのパターンだと思うが、ラストのサビでは転調しながらこのパターンを2回繰り返している。恋に浮ついている感覚が特に表れている印象的な部分だと思った。

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眩耀夜行

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キーはA。どっちかと言うとbVの印象が強い曲だったが、改めて聴いてるとbVIもあった。元々スリブの中ではNo.1だったが前述の2曲の聞き込みによる追い上げでその座を争っている。主題と関係ないんだけど「このまま遠くへ川沿い下って」行くところのベースも下っているのが良いよねとか、最後の一音がそのまま消えていってしまうような儚さを感じたりと、お気に入りポイントが多い。

  • サビ後半、「怖くないよ くらみだって」のベースライン。IV-V-bIV-VIとクライマックスへ向けて昇っていく感じ。さっき川下ってるって言ったじゃん!!
  • Cメロ、「息を切る鼓動と足音 まはそれだけ」のベースライン。ここも上と同じ。焦燥感が感じられる。この後にbVも出てきて、こちらも半音上昇進行でジリジリする感じ。

Special Thanks

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キーはEb→C(Cメロ)。ベースが結構暴れるし音が多い曲なので耳コピ弱者には辛い。

  • 間奏終わりやサビ前のボーカルラインなどにフォーチュンムービーと同じbVI-bVII(-I)が出てくること。「終われないよ」「やくそくね」など。個人的にはSpecial Thanksと言えばこれって感じ。いや歌詞だろというお叱りの声が聞こえる。ごめん。でもこの辺の音に意識置いてる人は多いんじゃないかな。
  • サビのフレーズの後半、「繋いで行け こからと」のベースラインがそれ。IV-V-bVI-VIのパターン。
    • この曲は若干違うが、王道進行IV-V-III-VIからII-V-Iで終止、2周目はIV-V-bIV-VI-II-V-Iみたいなの多いな~と意識し始めた。王道進行と呼ばれるだけはある。

他にもあると思うけどとりあえずこんなところで。冒頭で「異次元フェスなどでのバズ」と言っといてHoliday∞Holidayが入ってないじゃんと思うかもしれないが、あの曲はほとんどスケール内に存在する音だけで構成されていて、ここっていうポイントがないんですよね。CメロのベースラインのbV?くらいだと思う。歌詞のインパクトと、基本の音で構成されつつも分かりやすくて、音域と主に高揚していく様子が感じられるメロディが好まれたのかな~と考えています。

音楽とストーリーが連動するタイプのコンテンツについてこういう視点で曲を語ってくれる有識者増えてくれ~~~~~と5000兆年願い続けています。そりゃ制作陣が全部語ってくれたら嬉しいけどそうはいかないだろうし、「そこまで考えてないと思うよ」ができるという楽しさもあるので……。